「おいおい、ここでお前らが言い合っても仕方ないだろーが!西商に知り合いがいるから、ちょっと情報集めてみるからよ」


二人の間に割って入る芹沢先輩。


「そんなの待ってられるかよ……」


「学習能力のねぇーヤツだなぁ!綾の事は俺らだって心配なんだよ!」


「宝条を知ってるならお前だって分かるだろ……?アイツの俺ら―…俺に対する恨みは常識の範疇を超えてんだよ……!」


何時もクールな月島先輩の姿はない。

無理もないよ。

私だって胸騒ぎが止まらない。


綾さんが、また宝条さんの所へ連れて行かれてしまうなんて―…


あの人の持つ、イヤな雰囲気を思い出す。

冷酷で何をするかわからない瞳をしていた。


〝暇ならまた遊んでよ”


あの人の不敵な笑みが笑い声をつけて大きくなる。