きっと三年前の出来事は月島先輩にとってツライ出来事な筈。


「海音も―…噂では聞いたことあるだろ?」


月島先輩の言葉に、


「は……い」


ゆっくりと頷く。


「直接、海音には話したことなかったけど、俺はちゃんとピアノを弾いている時期があった。けど、大事な日の前日に宝条達と揉めてダメになって―…弾けなくなった。確かに、活動を辞めた原因は三年前の出来事に関係はしてる。でも」


「でも……?」


「今、俺が前みたいにピアノを弾かないのは三年前の事も、綾の事も関係ない」


月島先輩は静かに、そう私に話してくれた。