あの日、あの浜辺で私が、
〝素敵な男性と出逢えますように”
なんて願ったから―…
ううん。でも、綾さんが月島先輩に想いを伝える方が、私が願うのよりも早かったかもしれない。
だけど……だけど―…
ダメ。考えれば考えるほど、自分を責めてしまう。
月島先輩の気持ちに自信が持てない分、真珠の力を信じてしまう。
「私、心のどこかで月日が経った今なら、あの日のことも色あせて、響と元に戻れるんじゃないかって思ってたんです。でも―…」
綾さんの言葉がイタイ。
「あの日、あなたの存在を知って―…そう思っていたのは私だけだったんだって……」
綾さんは微かな笑顔を私に向けた。