「まだ響が好きだって想いを伝えたわ。でも―…ダメだった」


綾さんが微かに笑って、私に言う。


「〝綾のことは好きだけど恋人としての感情はない”って、はっきり振られちゃったわ」


「―…」


そうだったんだ……

だから、あの日、月島先輩があの場所にいた。

はっきりとした、告白の日にちを聞かなくても、

〝そういうことなんだ”

と、結びつけずにはいられなかった。


あの日、月島先輩に出会ったこと。

もう、ただの偶然だとは思えなかった。