もともと目立つ月島先輩達を敵視していた宝条さん。

でもそれは宝条さんの一方的なもので、月島先輩はピアニストとしての活動もあったし殆ど相手にはしていなかった。

それでも宝条さんの仲間がしつこく月島先輩を追いまわし、ちょっかいを出した結果、事は大きくなって月島先輩は宝条さんの〝チーム”を潰してしまった。

尚更、月島先輩に対する敵対心が強くなってしまう。

そして、どうにか月島先輩にあの時の借りを返してやりたいと思っていた宝条さんは、大事なピアノコンクールの日に綾さんを呼び出して―…


「陽や光廣くんには絶対に宝条君には関わるなって言われてたのに私は―…」


綾さんは、


「私が宝条君達の溜まり場まで直接行って、〝もう響と関わらないで欲しい”そうお願いすれば、もう関わらない―…そんな条件を出されてしまって、私はその言葉を信じて一人で宝条君達の所へ行ってしまったの……」


宝条さんの策略に嵌ってしまった―…