月島先輩から折り返しの連絡があったのは、その日の夜。
『悪い。電話に出れなくて―…何かあったか?』
月島先輩に聞かれ、
「あ、あのっ……」
宝条さんのことを伝えようとしたけど、
「―…」
言葉が出てきてくれない。
「あの―…今日、学校に来ていなかったみたいだったので……」
それだけ伝えるのが精一杯だった。
「それと―…小栗先輩から放課後の練習は自主練でって月島先輩に伝えて欲しいって言われてたんですけど、もう言っても遅い……ですよね……」
『海音』
「は、はいっ」
『―…明日も多分、学校休む』
「え……?」
『また連絡するから、お前は気を付けて学校に行けよ』
じゃあ、と通話が切れる。
一分程の短い会話。