こんな魔法に縋っても月島先輩の側に居たいと思う。
それなのに胸が苦しいのは、偽りの時間でも月島先輩の側にいたいと思う身勝手な想いを続けるのか、月島先輩に本当に好きな女性がいて、その彼女と幸せになる事を願うのかで揺れているから。
両極端の想いに心が激しく揺さぶられる。
月島間先輩との出会いは、今までずっと恋愛に縁のなかった私に神様がくれたプレゼントなのかもしれない。
あまりにも私が根暗で引っ込み思案で恋の〝こ”の字も匂わせないから、だから、そんな私に七粒の魔法を下さったのかもしれない、って。
もう真珠は二つだけ。
魔法が解ける瞬間が近いのかもしれない。
例え、七粒目を願わなくても、ある日突然解けてしまうかもしれない―…
この魔法が解けてしまう前に、あと少し、もう少しだけ望むもの。
それは月島先輩との想い出。