〝暇ならまた遊んでよ”
宝条さんの言葉を思い出すと、嫌な気しかしない。
月島先輩に宝条さんと会った事、早く伝えた方がいいのかな……?
でも、何だかとても胸がざわついて、携帯の通話を押そうとする手が震えている。
今、電話を架けるべきか、架けないべきか―…
少しの葛藤の後、私は強く決心して月島先輩の携帯へコールした。
プルルル―…プルルル―…
コール音が響く。
プルルル―…ルルル―…
月島先輩―…出ない。
しばらく鳴らして、コールを止める。コール音の代わりに、
ザザーン―…ザザーン―…
寄せては返す波音が静かに響きだす。
気のせいかな……?静かだけど、今日の波音は何処か荒々しい。
蒼い海が目の前に広がってる。
私はまた何時もの浜辺に来ていた。