「いやぁ、おかしいとは思ったんだよな。先輩のライブハウスのオープンイベントだとしても、趣味程度でやってるバンドなのにさ、わざわざボーカルを探して来たりさぁー…」
「はぁ……」
「海音ちゃん、つまり、だ。アイツの目的は最初からキミだったんだ」
「私??」
「海音ちゃんと近付きたくて、わざわざ俺らの趣味のバンドに参加させたってこと」
「えぇ……っ!?」
まさか、そんな訳はない……!って思うけれども、
「俺ってさぁ、こういう類に関しては勘がいいんだよなぁ。絶対そうだな。海音ちゃんに惚れたアイツが直球に気持ち言えなくて、こんな遠回しに~…」
芹沢先輩はそう分析結果を言いながら手で口を押えて、「あ~ウケる~」と笑いを堪えてる。