朝礼が終わって、一時間目の授業は生物。
クラスに友達がいないから、教室の移動は常にひとりぼっち。
〝アヤ”さんってヒトの事を考えて、もやもやとした気分で廊下を歩いると、
「だーれーだー!?」
そんな声と一緒に視界が真っ暗になった。
いきなりの目隠しに、
「きゃ……!」
って声を出してしまったけれども、この声って―…
「せ、芹沢先輩……ですか……?」
「当たり~」
ぱっと私の視界を覆っていた大きな手が離れる。
振り返ると、相変わらずキラキラオーラを放つ芹沢先輩がいた。
「どうしたんですか?」
三年生が二年の階にいるのは珍しいから、どうしたのかなって思う。