だけど、勢いよく月島先輩に殴りかかろうとした男は、


「うわっ……!」


振り上げた拳をするり、と、いとも簡単に月島先輩にかわされてしまってよろけてしまう。でも、


「くっそ……ぉ……」


それでもめげずに向かってくる。

やめてっ!!

心の中で大きく叫ぶ私。

だけど、そんな私の心配なんて無用で、月島先輩はさらりと再びかわしてしまう。

男のヒトが月島先輩に背中を向ける形になった瞬間、


ドガッ……!!


また鈍い音が、薄暗い人気の無い道に響いた。


「うそ……」


月島先輩の足が見事に男のヒトの背中に当たってる。


「っつ~…!!」


蹲って身体を震わせてるのが見える。

月島先輩に当たらなかったのは良かったけど、このヒトも痛そうで見てられない。