陽菜も陽菜だ…


俺の傍にはいつもいないくせにどうして緋呂の傍にはいつも陽菜がいるんだよ。



そんなことを思いながら緋呂を睨んだ。



「お前がそんな軽い男なんて思わなかった。」



俺はそう言い捨てて、緋呂の家を後にした。


気付けば外は真っ暗で、俺は後ろを振り向くこともなく少し小走りで来た道を辿る。



…しばらくは緋呂の家に行くこともないだろう。



そんなことを思いながらひたすら歩く。



「彗斗っ!」



聞き覚えのある声に体が自然と後ろを向く。