そんなことを思っていると思い出すように緋呂くんは「あ…」と声を零した。



私が「なに?」って聞くと下を向きながら「それから…」と続けて言った。



「それから…昨日はあんなことしてゴメン。気付いたら俺…陽菜ちゃんにキスしてて……」



そう言った瞬間、リビングの扉がドン!と大きな音と共に開いた。



振り向くとすごい形相をした彗斗がいて、私はすぐに話を聞かれてたんだ…って分かったんだ。



「えと…昨日すごかったね!キスしてるカップルたくさんいたね!」


そう言いながら緋呂くんに目線を向けて彗斗にバレないようにウインクしてみせる。



゛話を合わせて゛



口パクで緋呂くんにそう伝えた。