梨華に片思いをしていたあの頃、俺は勉強だけが取り柄だった。



欲しい物は親に言えば買って貰えた。


いつだって欲しい物は手元にあった。


でも…本当に欲しい物はどうしても手に入れることが出来なかった。



でも、苦労して苦労してやっと手に入れることが出来たんだ。



そしてそれは、かけがえのない俺の大切なモノになった。


それが梨華。




梨華と付き合って色んな梨華を見れた。
梨華と付き合って本当の幸せを知ることが出来た。



幸せ…か。



梨華の幸せってなんだろう。


そんなこと考えもしなかった。梨華の幸せだなんて…



俺は勝手に思っていた。俺と付き合うことで梨華は幸せなんだと…