「さっみぃ…」 黒いマフラーを首に巻き付けギュッと軽く握った。 このマフラーは去年、梨華がプレゼントしてくれた物。 それは俺にとって大切な物。 そんなことを思いながら白い息を外に出した。 明日はクリスマスイブ。 町はクリスマス一色で、所々からクリスマスソングが聞こえてくる。 イルミネーションが色鮮やかに輝いていて綺麗だった。 俺は近くにあったベンチに座り空に向かって小さく溜め息をついた。