「緋呂くんっ!!」



陽菜ちゃんに呼ばれて、俺は立ち止まった。
さすがに…無視するわけにはいかない。
多分陽菜ちゃんは勘づいてる。



「なんかあったの?」


「…別に」


「嘘つき。バレバレだし」



ゆっくり振り向くと全てを見透かしたような表情をしていて


もう隠しても無駄だなって俺は確信した。



俺が断念すると「やっぱりね♪」と言って得意げに笑っていた。