「陽菜」


下を向きながら歩いていると前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。



「彗斗?」


学校帰りなんだろうか…制服姿で鞄を肩にかけながら私を見下ろすように見ていた。


「どこ行ってたの?学校なんかサボって」


「いや…ちょっと」


「ごめん…」


「え?」



顔を上げると申し訳なさそうに私を見る彗斗がいた。
なんのことに謝ってるのか分かんなくて私は首をかしげた。



「俺が嫌いとか言ったからだろ?」


「…あ!違う違う!」



私がそういうと今度は彗斗が首をかしげる。


「莉緒にサボらない?って誘われたんだ。それで…」



私がそういうと「なんだぁ…良かった」ってホッとしたような様子だった。