「緋呂のことはさ…諦めろよ。」 俺は呟くようにそう言った。 陽菜は俯いたまま首を縦に振ろうとしない 「分かってんのか?緋呂は…」 「分かってる…。でもどうすればいいの?そんな簡単に諦めらんないよ」 「陽菜が辛い思いするだけだよ?前にも言ったけどアイツは梨華しか見えてねぇの!」 ふと目線を床に向けるとポタポタと所々に雫が落ちていた。 それを見てやっと陽菜が泣いてることに気付いた。