彼がいるあの世界があたしには居心地が良かったんだ。 「夢か……。」 時計を見ると、午前10時を指していた。 今日は日曜で、予定はない。 手を握りしめたらあなたの温もりが少し残ってるようで、それがあたしを苦しめるんだ。 視線の先には、机の上にポツンと置かれている、夢の中で先輩が読んでいた本だ。