鏡って普段何気なく見てるけど
実はすごい。だってどんなものも
映すから。
─鏡─
~side 田中~
興味本位でただ里中を見ていた。
どこか俺と里中は似ている気がして。
見ているうちに好きになってた。
だから文化祭の実行委員に里中となれて
嬉しかった。
『じゃあな』
「また明日な」
友達にそう告げて一人で歩く。
見たことのある後ろ姿。
里中だ。声をかけようとして近づくと
「山原先生の話題にすぐ照れるんだから~」
「やめてよ、もう!」
また、山原。もうその名前は聞き飽きた。
照れながらも怒る里中を見てわかった。
恋してる顔だった。
里中のこと好き、って気づいて1週間で失恋とか…
恋って辛いんだな…