体育祭も終わり、暑さもだんだん

なくなってきた頃にあるのは…

─文化祭─

「体育祭が終わったら文化祭だから、なんか考えとけよ」

担任の声が響く朝のHR。

あー、文化祭か。早いね。

今年は何をするんだろう。

澪華のとこは何をするんだろう。

ふと、思ったこと。

余計なことを考えていた私は話を全く聞いていなかった。

「…中!里中!!!お前は文化祭実行委員だからな!」

『はい!?』

聞いていないうちに勝手に決められていた。

まぁ、聞いていない私が悪かったけど……

やだ、なぁ………

「じゃあ、文化祭実行委員は里中と田中な。よろしく頼むぞ。」
と言い残して教室を出ていった先生。

『はぁ…』
思わずため息をつく。そもそも田中って誰?


「姫依ー、何してんのよ!」

夏穂が怒りながら近づいてきた。

『何って…考え事』

「私、姫依のこと何回も呼んでたのに気づかないし!」

『ごめんごめん』

怒る夏穂をなだめながら謝る。

『あ、田中って誰?』

「田中くん?なんかね、すごいモテるらしいよ」

そういうことには興味ない私と夏穂は田中くんなんて知らなくて。

『ふーん』