クレアは朝から大声で叫んだ。


合コンに行く約束を友人としたことに反論されているからだ。


反論しているのは18才の誕生日に就任したての執事、ゼイルである。


ゼイルは合コンに参加していいのか悪いのかは家が決めると言っている。




「はぁ!どうしてそういう決まりになってるみたいに言うのよ!」


「そりゃ、決まってる。
ロンド家のお嬢様が出席していいコンパじゃないだろ。」


「なんであなたがそんなことを決めるのよ。
お父様に言われてる方がまだまともよ。

それに執事だったらちゃんとご主人の言うことはきくものでしょう。
あなたはすごく偉そうだわ。
言葉遣いだってすごく上から目線だし、ぜんぜん執事らしくないじゃない。
それでよくお父様が雇ったものだわ。」


「あのさぁ、お父様にも言われるって自分でわかってるじゃないか。
だったらやめておけばいいだろ。」



「そうはいかないわ。
私だってもう18なのよ。彼氏のひとりくらいいなきゃ、かっこ付かないし。」



「はぁ?彼氏はアクセサリーの1種か?
ぜんぜんわかってねぇんだな。
仕方ない、合コンしてもいいけど、場所指定だ。

俺の店でコンパしろ。
そうしたら、お父様も安心だと思う。」



「ちょ、ちょっと待ってよ。
俺の店って何よ。
あなた執事じゃないの?」



「俺はバイトの執事だ。
雇い主は君の父親のクアント氏だ。

俺の店にやってきて、俺に執事になってくれないかと頭を下げてきた。
だから俺は執事になってやった。ただ、それだけだ。」



「そんなぁ・・・そんな簡単に娘の生活がわかっちゃうような仕事を頼んだっていうの?
そんな・・・そんな・・・お父様が・・・うそよ。」


「嘘じゃない。文句あるならお父様に言えよ。
俺だって仕事じゃなかったら、反論なんかするかよ。

聞き分けのない女なんて痛いめをみればいいんだ。」



「だったらほっといてよ!」



「ほっとけない。これは俺の仕事でもある。
俺の店でコンパすること。
これを守れなかったら、コンパそのものを俺か俺のスタッフがぶっこわしに行く。
わかったか。

おまえの友達だっておまえの家がどういう力があるかは知ってるんだよな。」



「わかったわよ。それで、あなたのお店ってどこなの?」


「俺の店はな・・・」



ゼイルの店を教えてもらって地図を書いてもらい、店のパンフレットまで持たされたクレアはハイスクールへと出かけていった。

クレアの友達はゼイルのことを不思議がっていたが、おすすめの合コン場所と従業員に興味もあって合コン場所はすぐにゼインの店に決定した。

そして、すぐに幹事が男性のグループに連絡してその日は終わった。