名前を呼ばれたのは、お友だちだったら名字呼びだと堅苦しいとのことだったので承諾しました。
でも、私はいきなり男子を下の名前で呼ぶなんて到底無理なのでそこはきちんとお伝えしました。
名前で呼んでくれる男子なんて吉良くん以外いなかったので、なんだかまだ慣れずくすぐったいです。
なにはともあれ、お友だち増えたのうれしい……!
私はうれしいのですが、何故かあまり吉良くんはうれしそうではありませんでした。
「……はるちゃん、帰ろうか」
「は、はい」
いつものようにローファーに履き替えようと下駄箱を開けると、見覚えのない紙が入っていた。