私なりに頑張って決死の思いを伝えた。
これ以上、見ていられないよ……

吉良くんは一瞬大きく目を見開いたあと、穂積くんからゆっくりと手を離した。

自由になった穂積くんは、咳き込みながら呼吸をしている。


「僕より穂積を庇うんだね、君は。僕以外の男になんて慈悲を与える必要はないのに」

そんな彼が見えていないかのように、吉良くんの瞳は私以外を写そうとはしなかった。

「それに……男同士でこれくらいの取っ組み合いは日常茶飯事、立派な友情表現だよ。……ねぇ、穂積?」

「は、はいいいいいいい!!!」

首がとれるんじゃないかって心配するくらい、穂積くんは首を縦に振った。