プリントを集め終わり、差し出した手をぎゅっと穂積さんに握られた。

な、なんでしょう……
もしや、また私なにか迷惑を……?


「こんなボクにまで微笑んでくれるなんて、もしかして君は天使……?ほんとにリアルに存在したのか……」

「え、え?」


な、なんの話なんでしょう。

真剣に見つめられ、思わず目が逸らせない。
まるで私と彼の周りだけ、時間が止まったみたいに。


包まれた両手が、じんわりと熱を持つ。
何故か、彼の手を振り払うことが出来ない。


「あ、あの……三枝さん!お、お願いがあるのですが……」