大急ぎで黒板を消した私は、世界地図を持つ。
う……結構重たい……
ゆっくりゆっくり時間をかけて資料室へと向かう。
「どわっ!?」
「きゃっ!」
資料室に向かう途中で、反対側のろう下から走ってきた人が私の目の前で転んだ。
その拍子に、その人が持っていたプリントが辺りに散らばる。
「だ、大丈夫ですか!?」
咄嗟に近くの柱に地図を立て掛け、散らばったプリントを拾い集める。
「あっ、あの、怪我とかは……」
「あ、少し膝が痛いですが特に問題ないです。プリントありがとうござい……」
顔を上げたその人と丁度目が合う。