こーちゃんとも何度も遊ぶようになった。だけどあの日以来またこーちゃんはあたしに触れてくることはなかった。


ある日駅まで送ってもらってる時に突然付き合ってって言われた。あたしはサヨナラって書いた置き手紙をしてたから、家帰ってもう1回考えて。って言ったの。

こーちゃんはね、サヨナラなんかしたかないって。忘れられない人がいてもいいって。今のままじゃあやかは何にも進まれへんやろ?って。

確かにこーちゃんの言うとおりなんだよね。ずっとずっと戻ってこないたつき君をひたすら待って、でも頭ではもう終わってることはわかってるし、前にすすまなきゃって思ってる。だけど自分ではその1歩をどうしても踏み出すことができなかった。その1歩を踏み出すことでたつき君から離れる気もしたし、踏み出したらいけない気もどこかでしてた。
そして自分自身であたしにはたつき君だけなんだって意地を張ってたのかもしれない。

こーちゃんの一言で初めて心と頭が一致した。
前に進んでみるのも悪くないかもしれない。こーちゃんのことは本気で好きになんて、なれないかもしれない。だけど彼はそれでもいいっていってくれてる。利用するって言い方はわるいけど、このチャンスを逃したらほんとに一生このままかもしれない。これは神からの救いの手なのかも。と自分に言い聞かしあたしはこーちゃんの返事にOKを出した。