私は学校を出て、制服のまま歩いていた。
そして気づけば夜。
今頃、私の家では調査が行われてるんだろうな…
あんな家…帰りたくない…
ボーッとしながら歩いていると声が聞こえてきた。
「……死ね…」
「…い、嫌だ!やめ…」
死ねと呟いた男と途中で声が途切れてしまった女の人。
…あいつも人を…?
私はその殺人現場を堂々と見ていたため、男に私がいることがバレてしまった。
「…君、今の見てた?」
私は人を殺したはずの男の人に話しかけられても不思議と恐怖は感じなかった。
「…バッチリ見てましたよ…」
女の人が倒れるところもね…
「…そっかぁ…じゃぁ、君には死んでもらおうかな…?」
私が死ぬ?
先程まで死にたいと思っていたのに今は死ぬことがバカバカしいと思った。
なぜ私が死ななければいけない…?
「…なんで私が…?
あなたが人を殺していたところを私が見てしまったから…?その口封じ?」
質問責めで私は聞いた。
「…君、怖くないの?」
肯定の意味で深く頷いた。
「珍しいね…
…フッ…質問に答えるね…
まず、殺すって言ったのは取り消し。
それに口封じじゃなくてルールだから…」
殺すって言ったのを取り消す?
不思議な人…
それより…
「…ルールって?」
この人にはルールというものが存在するのだろうか…?