「くっそ……攻撃が当たんない……」　

「ガルル……」

バッ！

ヴォルトがひるんでいる隙を狙って《犬》のうちの1匹がヴォルト目掛けて飛びかかってきた。

「うわぁ！！」 　

ヴォルトはゴロゴロとその場から横転して《犬》の攻撃を紙一重で避けた。　

「あ、あっぶね……さっきまでの自信はどこいっちゃったんだろ……と、とにかく何か攻撃を与えられるような方法を考えないと……！！」

ヴォルトはその場で考えているとまた《犬》が飛びかかってきた。

バッ！！

「うわぁっ！」

ガチィン！！

ヴォルトは当たる寸前に、《犬》に向かってを向けた。その刃は《犬》の歯を砕いた。《犬》はその衝撃で動けなくなっている。

「あ、アレっ！？…はっ、そうかチャンスなんだ！！……喰らえッ！！」

ヴォルトは剣で《犬》を真正面から真二つにした。所謂、トドメというものだ。真二つにされた《犬》からは血も出ず、煙のように消え去った。

「…や、やった！」

喜ぶヴォルトに向かって今度は2匹の《犬》が同時に飛びかかってきた。

「ま、また！？……こうなったらイチかバチか……うぉりゃあーっ！！！！」

ヴォルトはあるゲームの主人公が使っていた必殺技を真似して、クルクルと剣と体を回転させた。すると、剣から青い光のようなものが出てきて その光と剣の刃先が《犬》２匹の腹を命中し、煙となった。