それから律は何事もなかったかのように、教室へと向かった。 既にHRは始まっており、遅れてきた王子の登場に、クラスメイトは驚いていた。 「おぉ、雨宮。遅刻だぞ?」 「………」 「シカトかよ。まぁ、校内には居たという証言があったから見逃すけど、次はないからな」 担任である佐久間はそう言うと、何事もなかったように、HRを進めた。 律は何も語らず、ただ窓の外を眺めていた。