「今の世の中、本当に便利だよな。色んな音をこの携帯で出せるんだから」
「じゃぁさっきのも…」
「あぁ、こいつを鳴らした」
「そうなんですね。ありがとうございました。助かりました」
「…別に。それに、あぁいう女、嫌いだから」
そう言うと、律はその場を立ち去ろうとした。
「あ、あの!2回も助けて頂いて本当にありがとうございます!」
「ん?あ、あぁ…」
律は何のことを言っているのか理解出来ていない様子だったが、そのまま何も言わずに、その場を立ち去ったのであった。
普段、自ら女の子と関わるようなことはしない律。
自分のしている行動が自分で信じられず、戸惑いを感じているようでもあった。
2人の運命が動き出す。