そしてその日の夜。
律は茶室に1人で篭っていた。



するとそこへ、律の父親である宗助が入ってきた。









「どうしたんだ?」

「…家元…」

「今は稽古中じゃないんだ。親父でいいさ。…緊張、しているのか?」

「そりゃぁ、まぁ…」

「いつも通りやればお前なら大丈夫だ。どれ、練習相手になるから、やってみなさい」

「はい…」








律は言われた通りにお茶を点てると、宗助に差し出した。


宗助はお茶を飲むと、器を床に置いた。
そして、重たい口を開いた。