「さて、今日は2人に話があって律に呼んできてもらった」
「はい」
「奏大くん。昨日も伝えたと思うが、私は大樹の息子である君との結婚なら反対はしない。しかし、もし花菜が嫌がっていたり、悲しむようなことがあるのであれば、この結婚には反対だ」
「はい。そんなことがないようにします。約束します」
「花菜はどうだ?」
「パパありがとう。私なら大丈夫だよ」
「そうか。それなら安心した。なぁ、律」
「はい。…家元、そろそろ」
「そうだな。せっかく茶室に来たんだ、律にお茶を点ててもらいなさい。私はそろそろ会合があるから失礼するよ」
そう言うと、家元は席を立ち、出掛けてしまった。
「奏大さん、時間は大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ない」
「それでは準備しますね」
そう言うと、律はお茶を点て始めた。
流石ら時期家元と言われているだけあって、律の動作は優雅であった。