「家元、律です」
「入れ」
「失礼します。……家元、花菜と奏大さんに話をしてきました。花菜の準備が整い次第、来るそうです」
「ありがとう。…なぁ、律。私はこの後会合があって、話が終わったらすぐに出なければならない。そこで、せっかくだからお前が2人にお茶を振る舞いなさい。明日の茶会に向けて、練習のつもりでな」
「…はい、わかりました」
そう言うと、律は家元にお辞儀をし、斜め後ろに下がった。
それからしばらくすると、花菜と奏大が茶室に来たのであった。
「2人とも、座りなさい」
「はい」
2人は家元の側に座った。