花菜の部屋に行くと、律はドアをノックした。
家の造りは、日本家屋のようだが、実は家の中は改装されており、茶室や客間等、茶道や華道で使わない生活スペースは洋室になっているのだった。
「花菜?」
「あっ、りっくん!」
「荷物は纏められた?」
「うん、終わったよ」
「それなら着替えて奏大さんと一緒に茶室においで?家元が呼んでる」
「わかった。奏大さん、ちょっと着替えるので、創くん達と待っていてもらえますか?」
「わかった」
そう言うと部屋には花菜だけが残り、それ以外の人は部屋から出た。
律はそのまま茶室へと向かった。