律がボーッとしている間にも、時間は過ぎて行き、もう放課後になっていた。
律は何時ものように、耳にイヤホンを付けると、そのまま何も言わずに帰って行った。







家に帰ると、律は父親に呼び止められた。








「律、お帰り」

「…ただいま」

「花菜はもう既に来てるぞ」

「そう……」

「なぁ、律。悪いんだが、着替えたら花菜と奏大くんを茶室に呼んでくれないか?」

「…茶室へ?」

「あぁ。ちょっと話がしたいんだ」

「…わかった…」

「悪いな。呼びに行ったら律も茶室に来てくれ」

「……はい」








律はそう返事をすると、自分の部屋に入った。
荷物を置くと、急いで着物に着替えた。
茶室に呼ぶということは、それなりの格好でいかなければならない。
雨宮の家に産まれた者として、茶室に入る為の正装であった。




律は着替え終わると、そのまま花菜の部屋に向かった。