そして、俺が人を集めて教室に駆けつけた時には、廊下には野次馬がたくさんいた。
中を覗くと、律と女の子達が言い合いをしていた。
「おー、怖い、怖い。流石は冷酷王子様。それにしてもこの野次馬の数は凄いな」
「……茶化すな、隼大」
「えぇーっ、だってそうだろう?どんな女の子にも冷たい態度で切り捨てる律が、唯一ぞっこんラブな女の子が現れて、今まさに喧嘩してるこんな楽しい状況、誰もほっとかねーだろ?」
「……隼大。これはお前の仕業だな?」
「なんのこと~?…ただね、こういう状況は俺は好きじゃないから、今後無いように見せしめってところかな?」
「悪趣味」
「律もその方が助かるだろ?これで大事な大事な花菜ちゃんに手を出そうなんて奴は居なくなるんだからさ。
あーぁ、冷酷王子様がまさか超がつくほどのシスコンだとはな~」
「うるせー!」
律の取り巻きを含め、野次馬達も俺達のやり取りを見守っていた。
しかし、俺が言った「シスコン」という言葉に、誰もが動揺し、騒ぎだした。