「何で俺とあかねが結婚してるってことになってるわけ?絶対考えられない」
「で、でも…私聞いちゃったんです。あかね先輩が結婚をして、雨宮あかねになるって…」
「あぁ…だってアイツ兄貴と結婚したから、そりゃぁ雨宮になるだろうよ…」
「えっ?」
「ったく…普段噂とか信じない癖に、何でそんなこと信じるかな…。俺に聞けばよかっただろう?」
「だ、だって…律先輩との関係が崩れるのが怖くて…」
そう言った柚姫の目から、ポロポロと涙を流していた。
律は親指で柚姫の涙を拭った。
「もしかして、お見合いの話も俺が結婚してるって思ったせい?」
「……それに、父に一ノ瀬流を継げないって言ったら婿養子を探すって言われちゃって…」
「ハァ~…。全ては俺が原因だったわけね…。ねぇ、柚姫は俺があかねと結婚するって勘違いしてたみたいだけど…ショックだった?」
「…はい…」
「それはさ、柚姫も俺と同じ気持ちだって思って良いの?」
「っ……」
「柚、もう一度言うよ?…俺は一ノ瀬柚姫が大好きです。だからさ、俺と結婚を前提に付き合って?」
「け、結婚ですか?」
律のまさかの発言に、柚姫は慌ててしまった。