「なぁ、律。お前はお姫様を他の男に取られても良いのかよ?」
「……嫌だ…」
「なら答えは出てるんじゃねーの?」
「………」
「律、いい加減自分の気持ちに正直になれよ。…それと、これは言おうかどうか迷ったんだけど…お姫様が片思いしてる先輩って、お前だろーが」
「…は?」
律は隼大の言葉が信じられず、聞き返した。
「だってそうだろう?お姫様は学校でお前とくらいしか関わりを持っていなかったんだ。そんな子がお前以外の男に片思いするかよ…」
「……柚姫が…俺のことを…好き?」
律は状況について行けず、戸惑っているようであった。
そんな律に、隼大は背中を押し続けた。