「柚ちゃん、別に無理して言わなくても良いんだよ?」 「あ…ううん、そうじゃないの。ただ…」 「ただ?」 「……好きな人はいるんだけど、私の片思いだから…」 「その人とは会ってるの?」 「ううん、もう卒業しちゃったから会ってはないの。でも、たまにメールや電話をしているくらいかな」 「そうなんだ…」 柚姫が話す先輩というのが、まさか律だとは思ってもいない2人は、そのまま柚姫の話をただ単に聞いていたのであった。