あれから年が明け、律と柚姫の距離が縮まることもなく、ただ単に時間だけが過ぎて行った。
そんなある日。
柚姫は屋上に呼び出されていた。
「すみません…遅くなりました」
「いや、俺もさっき来た所だし、気にしないで?」
「そうですか。……それでお話っていうのは一体…」
「あぁ…。俺たち3年はもうすぐ自由登校になっちまうし、それが終わったら直ぐに卒業式だから、その前にどうしてもお姫様に聞いておきたいことがあって…」
そう。
柚姫のことを呼び出したのは、隼大であった。
隼大は、律と柚姫の関係をもどかしく感じていたのだ。
律が行動しない今、頼みの綱は柚姫しかいない。
どうにか卒業式前に、2人の関係を変えたいと、隼大は柚姫のことを呼び出したのであった。