そして、先程のあかねの登場。


柚姫はあかねに、律と一緒にいることに対して、怒られると思っていた。




しかし、実際には怒られることなく、寧ろ「よろしく」と言われてしまったのだ。
今の状況は何といって良いのか、どう反応したら良いのか柚姫にはわからなかった。




そんな柚姫の様子に、律が気付いた。









「柚?」

「あ…すみません…」

「どうした?」

「いえ…何でもないです…」

「……悪かったな。アイツ…進藤あかねって言って幼馴染なんだけど、見掛けたからって声掛けなくたって良いのにな…」








先程のあかねの姿を思い出し、律は苦笑いするしかなかった。









「律先輩こそ、良かったんですか?あかね先輩に私のこと知られてしまいましたけど…」

「ん?…あぁ、別に問題ない。アイツも言いふらしたりはしないだろうし、大丈夫だ」

「………」

「さ、いつまでもここにいても仕方ないから、そろそろ行こう」

「はい…」








そう言うと、律は歩き始めた。
律の返答にあまり納得していない様子の柚姫ではあったが、今この時を楽しもうと、今だけは何も考えずに律の隣にいることにしたのであった。