「…律先輩?どうかしましたか?」
「…………なぁ、柚。ここに来る前に誰と会ってた?」
「えっ?」
「……柚から別の人の匂いがする」
「…………」
「俺に言えないようなことでとしてたわけ?」
「そういうわけじゃ…。ただ、誰と会ってたかと言われると、覚えがなくて…」
「……」
「ちょっと待ってください。今、思い出すので…」
そう言うと、柚姫はここに来るまでのことを思い返していた。
「…柚からする匂いは……隼大の物だ。隼大と会っていたんじゃないのか?」
「……隼大先輩?」
柚姫は律に言われると、首を傾げた。
すると、ある出来事を思い出したのであった。