始業式以来、律はモヤモヤした感情を抱えたまま、誰に言うわけでもなく、過ごしていた。





そんなある日。
いつもと変わらず、律と柚姫は第二保健室にいた。









「律先輩、今日はチョコレートを作ってきました!」

「サンキュー」

「どうぞ」

「………」








そう言うと、柚姫は律にチョコレートを渡した。


しかし、どういうことだろう。
何時もなら、ここでお菓子を受け取る律であったが、全く受け取る気配はなく、それどころか何故だか険しい表情をしていた。
そんな律の表情に、柚姫は不安を感じ、律に話し掛けた。