「…やっぱり変なんだろう？…話さなきゃ良かった…」
「いやいや、そんなことないから大丈夫だ」
「なら、俺は病気じゃないんだな？」
「あぁ、病気じゃないから安心しろ。(まぁ、律のそれは恋の病とは言うけどな)」
「…そうか…」
「律が感じてる思いは病気なんかじゃないし、男として当たり前なんじゃねーの？お前の妹に対する兄貴の態度を思い返してみろよ。何ら変ではないし、病気なんかじゃないだろう？」
「……確かに……」
「だろう？だからそんなに思い詰めるなって！」
「あぁ。……お前と話をして、心がだいぶ楽になった。柚といると初めての感情に戸惑う」
「それが良い傾向だって言ってるだろう？」
「良い傾向か…。前にも言ったけど、柚といると体が勝手に動くんだ。柚を抱きしめたい、もっと触りたいって気持ちになって、気付いたら体が勝手に動いてる」
「！！」
律の驚きの発言に、隼大は目を丸くしていた。
「お前、それが何でかわからないわけ？」
「ん？…あぁ…。何？お前には分かるわけ？」
「……さぁな」
「………」
「そんな目で見るなって…。前にも言ったけど、こればっかりはお前が自分で気付かないと意味がないぜ？」
「………」
「さてと、俺はそろそろ退散した方が良いかな？」
「…ん？……あぁ…」
「じゃぁ、律。また始業式でな」
そう言うと、隼大は第二保健室を後にした。
