「…お前…そう言うの面倒臭いっていうタイプじゃなかったっけ?」
「まぁ…。でも、柚が行きたいって言うし、別に1時間くらい良いかなぁ~って…」
「そう、お前が並んだのね…」
「自分でも驚いている。柚のことになると、頭で考えるよりも先に勝手に体が動いているんだ。それに、駅までだって…」
律はそこでハッとして、言うのを止めてしまった。
「何だよ…気になるだろう?途中でやっぱり止めたとかナシだぜ?」
「……お前から見る俺って、待ち合わせ場所や時間にきっちり行くタイプだと思うか?」
「いや、女共に絡まれるのを面倒臭いっていって、遅れて行くか、寧ろ行かずに1人で来いって感じがするけど?」
「…まぁ、強ち間違いではない」
「で?そんな律が柚姫ちゃんにはどんな対応したんだよ?」
「お前が柚の名前を呼ぶなよ」
「………」
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことであろう。
隼大は驚き過ぎて、直ぐに反応することができなかった。