「……柚と、お茶の稽古をしてるんだよ」

「へぇ~…それで?」

「それでって…それだけだよ…」

「茶室に2人っきりで?」

「いや…茶室じゃなくて、ここでだけど?」

「は?お前の部屋で?」

「何か問題でも?」

「問題はないけど…毎日お前の部屋で2人っきりでね~…」








隼大はにやけながら、律のことを見ていた。









「何だよ…」

「自分の部屋で2人っきりでだなんて…めっちゃ良い状況じゃねーか」

「……別にお前が考えているようやことは何もない」

「は?2人っきりなのに?」

「…だから?」

「うわー…あり得ない。何?毎日2人で1日中稽古してるわけ?」

「いや、稽古は午前中だけ」

「…午後は何してるわけ?」

「午後は大抵この部屋で過ごすか、あとは何処かに出掛ける」

「…ちなみに何処へ?」

「何処って……昨日は柚が映画を観たいって言うから映画に行ってきたけど?」

「律が映画…」

「あとは、最近駅前に出来たパンケーキの店に行った」

「駅前のって、あの1時間並ぶとかいうパンケーキ屋?」

「あぁ…」








律の言葉に、隼大は目を見開いて驚いた。
普段の律からは想像出来ないようなことだけに、隼大は何と言ったら良いのかわからないというような表情をしていた。