それから毎日のように、律は柚姫の特訓を行っていた。
夏休みが二週間過ぎたある日、律の家に隼大が訪ねてきた。
「よう、律。久しぶり」
「……」
「って言っても、兄貴のパーティー以来だから、一週間ぶりだけどな」
「…あぁ…」
「律、お前夏休み中何してんの?連絡しても返さねーし…」
「…返してるだろう?」
「午前中にメールしてるのに、返事が返ってくるのは、大概夜だろう?」
「……日中は予定があんだよ…」
「予定?」
「………」
「えっ、何、その黙り。…さては、お前、何かあるな」
そう言った隼大の顔はニヤリと何か悟ったような表情をしていた。
律は溜め息をつくと、渋々話し始めた。