「あ、律先輩。私、そろそろ帰ります」

「ん…わかった」








そう言うと、律は帽子とサングラスを手に取った。









「…行こうか」

「はい…。あ、でも、私1人でも帰れます。駅は人も多いだろうし…」

「柚はそんなこと気にしなくていいよ。俺が行きたいだけだから」

「でも…」

「ほら、行くぞ」









律は柚姫の手を取り、そのまま繋いでしまった。
柚姫はビックリしたものの、律があまりにも自然に手を繋いだ為、何も言えず、そのまま駅まで歩いて行った。




繋いだ手はそのまま離されることなかった。