「柚、何食べたい?」
「えっ?」
「って言っても、俺、料理ってオムライスかパスタ、ラーメンくらいしか出来ないけど」
「律先輩が作ってくださるんですか?」
「何?俺の手料理じゃ不満?」
「いえ…そうじゃなくて、律先輩が料理出来るって知らなかったので、ビックリしてしまって…すみません…」
「両親がいないことが多いからさ、必然的に出来るようになったんだよね。まぁでも、兄貴や花菜には敵わないけど、オムライスは結構好評だったんだぜ?」
「なら、オムライスが食べたいです」
「了解!直ぐ出来るから待ってて」
「はい。お願いします」
柚姫はオムライスが完成するまでの間、律のことを観察していた。
「柚…」
「何ですか?」
「…見過ぎだから」
「あ…すみません」
「まぁ、別に柚ならいくら見られてもいいけど……楽しいか?」
「はい!普段、学校では見ることの出来ない律先輩が見れて、嬉しいです」
「そう…。さて、もう出来たよ」
「本当ですか?」
「あぁ」
そう言うと、律は出来上がったオムライスとスープを柚姫のところまで運んできた。